公開日:2024年05月02日 更新日:2024年05月08日
【5分でわかる!】Instagramリール広告とは?広告設定手順や費用のポイントを解説
Instagramリール広告とは
「リール広告」とは、Instagramのリールとリールの間に表示されるよう出稿した広告のことを指します。2021年6月18日に開始され、最近話題の縦型動画の一種になります。
Instagramのリール自体は2020年8月に追加された新機能で、同年12月にアライドアーキテクツ株式会社が行った調査*1によると、Instagramユーザー全体の57.8%が「Reels(リール)」を認知しています。また、2021年10月にサムライト株式会社が発表した調査結果*2ではZ世代のリール利用率は67.7%となっています。今回は、「リール広告」について出稿方法やコツなどを解説していきます。
Instagram広告について詳しく知りたい方は、下記記事もご覧ください!
【関連記事】
Instagram広告とは?特徴や種類、費用から出し方・ポイントまで解説!
参考*1:
「Instagramを見て購買する」ユーザーの実態調査!購買アクティブなユーザーはInstagram上でどんな行動をしている?
参考*2:
YouTube/Instagramユーザーの約7割が視聴!サムライト、Z世代の『ショート動画』利用状況に関する調査を実施
リール広告の特徴
リール広告の特徴は、
- ・最大15分の動画が投稿できる
- ・縦型動画が全画面表示で印象に残りやすい
- ・発見タブに表示される
- ・広告に対していいね、コメント、保存、シェアの機能が使える
などが挙げられます。
リール広告では最長15分の動画投稿が可能と
Instagramヘルプセンター に記載がありますが、
一般的に動画は90秒以内のものが多く、効果的と言われています。
また、リール広告は強制視聴させることができない仕様になっており、ユーザーが広告に興味を持たなかった場合はスクロールされてしまいます。そのため、リール広告ではユーザーの視聴体験を損なわないクリエイティブ制作も重要となります。
Instagramリール広告に関連する資料
下記ではリール広告に関連したノウハウ資料やサービス資料をご紹介しています。ぜひご活用ください!
リール広告のメリット
リール広告では、3つのメリットが挙げられます。下記で詳しく解説します。
1.広告感なく配信できる
リール広告は、リールとリールの間に配信されます。通常のリールは15秒~90秒が主流なため、ユーザーは短時間で多くのコンテンツを楽しむことができます。そのため、一般のリール投稿を視聴するユーザー対して「広告」という先入観を持たれることなく視聴を促すことができ、自然な訴求が可能になります。
2.動画配信のため情報量が多い
動画配信では、テキストや静止画よりも情報量を多く届けられます。その数は、テキストと動画を比較して約5,000倍もの情報量の差があると言われています。
また、アメリカの調査会社Forrester ResearchのJames L. McQuivey博士が2014年4月に発表した研究結果では、「1分間の動画から伝わる情報量は、文字に換算すると180万語、一般的なWebページの約3,600ページ分になる」と報告されています。
3.ターゲティングができる
Instagramのリール広告では、地域、性別、年代(13歳~65歳)などの詳細なターゲット設定が可能となっています。このような要素から自社がアプローチしたい層にターゲティングすることで、無駄な広告表示の削減や費用対効果の向上も見込めます。
リール広告の入稿規定
リール広告の入稿規定は下記の通りになっています。
- ・ファイルタイプ: MP4、MOV
- ・アスペクト比: 9:16
- ・動画設定: H.264圧縮方式、正方画素、固定フレームレート、プログレッシブスキャン、および128kbps以上のステレオAACオーディオ圧縮
- ・解像度::500 x 888ピクセル以上
- ・動画のキャプション:任意
- ・動画音声::任意(ライセンス音楽不可。公式の音楽の利用を推奨)
リール広告の入稿規定について、詳細に知りたい方は下記サイトも併せてご覧ください!
【参考】
動画
Instagramリール/Meta社
リール広告の費用相場
リール広告の出稿に必要な費用は「広告制作費用」と「広告出稿費用」の二つに分かれます。
それぞれの費用相場は以下の通りです。
広告制作費用
広告制作費用の相場は、静止画で数十万円程度、動画だと40~100万円が一般的となっています。
リール広告ではユーザーに興味を持ってもらうために動画を用いることが多く、クリエイティブは重要な要素となります。そのため、クリエイティブ制作会社に依頼するのも一つの手段です。
広告出稿費用
広告出稿費用は、広告配信をするためにInstagram側に支払う費用のことを指します。リール広告では3つの課金方法があり、下記で1つずつ解説していきます。
1. CPM/インプレッション単価課金
CPMとは、「Cost Per Mille(コストパーマイル)」を略したもので、広告が1,000回表示されるごとに費用が発生する課金方式です。1表示当たりの費用は、0.2~1円が相場となっています。
広告の表示回数を多くしたい、認知向上施策として広告出稿したい人におすすめです。
2. CPC /クリック単価課金
CPCとは、「Cost Per Click(コストパークリック)」を略したもので、ユーザーが広告をクリックをした回数分、費用が発生する課金方式です。1クリック当たりの費用は、40~100円が相場となっています。
ダウンロードや購入など、コンバージョンが設定されている広告出稿におすすめです。
3. CPI /インストール単価課金
CPIとは、英語で「Cost Per Install(コストパーインストール)」を略したもので、広告を通してアプリや資料などがインストールされたことで費用が発生する課金方式です。1インストール当たりの費用は、100~200円が相場となっています。
アプリのインストールなどを目的とした広告出稿におすすめです。
リール広告で成果を出すポイント
リール広告で成果を出すには4つのポイントが挙げられます。下記で詳しく解説します。
1.冒頭3秒でユーザーの興味を引く
多くのユーザーは、「動画の冒頭3〜5秒以内に続きを見るかどうかを判断している」と言われています。例えば、「〇〇な人、必見!」などの質問を投げかける手法であったり、冒頭にインパクトのある映像を入れる手法であったりの工夫をすることで、3〜5秒でユーザーに興味を持たせることができます。
2.動画BGMを人気の楽曲にする
動画BGMを人気の楽曲にすることもユーザーが興味を持つきっかけになります。Instagramではユーザーが使用した音源(BGM)を、他のユーザーが再利用できます。BGMを設定した投稿からは共通の音源を利用した投稿も検索できるため、ユーザーに投稿が表示されたり見てもらえたりする回数を増やすことも可能になります。また、リールは音声ありで視聴されることが多く、無音の動画は違和感を持たれてしまう可能性も考えられるため避けたほうが無難です。
3.「おすすめに表示されやすい動画」を目指す
Instagramヘルプセンターでは「下記の観点でリール動画をおすすめしています」との記載があり、この観点に沿って動画を制作することも大切なポイントです。ヘルプセンターには表示が少なくなるリール動画についての言及もありますので、こちらも確認しておくと良いでしょう。
- ・幅広いオーディエンスに面白いと感じてもらえる可能性がある
- ・創造力をかき立てるものである(例: 他の利用者が参加できる新しいトレンドを作る)
- ・リールの音源ツールを使用してInstagramミュージックライブラリの曲またはオリジナル音源を追加している
- ・縦向きで撮影されている
- ・コミュニティに関連のある有意義な出来事を表現している
参考:
Instagramで目にする可能性のあるリール動画の種類
4.配信後に成果を確認する
広告は出稿して終わりではなく、成果を確認することも重要です。これはリール動画に限らず、すべての広告出稿に共通します。
配信後に成果を確認することで、最適なターゲティングがわかったり、現在のクリエイティブの改善点が見えてきたりします。得られた結果から再度広告を見直し配信することで、より良い成果を見込めます。
リール広告の入稿手順
リール広告はMeta社が提供する「広告マネージャー」から出稿することができます。
Instagramで広告を配信するためには、Facebookページ、Meta Business Suiteのアカウントが必要になります。
・Facebookアカウントは
こちらから
・Meta Business Suiteアカウントは
こちらから
2つのアカウントは、
・会社名
・氏名
・メールアドレス
・会社の詳細
上記4つの情報で登録ができますので、事前に登録を済ませ、アカウントを用意しておきましょう。また、どちらも手間なく作成ができますので、広告出稿をはじめる前に必ず上記を用意しておきましょう。
ここからは実際の画面を用いて、入稿手順を解説します。
1.キャンペーンを作成する
広告配信をするには、「キャンペーン」を作成する必要があります。「キャンペーン」とは、複数の広告をまとめたものを指します。
① キャンペーンを作成
まずは、管理画面にログインし、左上の作成ボタンを押します。
② キャンペーンの目的設定
作成ボタンを押すと画像のようなポップアップが出てきます。ここでは、購入タイプ(課金方法)と自社が広告配信する目的に合ったものを選択します。
③ キャンペーンの設定
こちらは「おすすめの設定」「手動作成」の2つから選択できます。
「おすすめの設定」にすると、Instagram側がパフォーマンスを最大化するための設定を自動で行ってくれます。しかし、内容は最近の広告アカウントでのアクティビティに応じて変わる可能性があります。そのため、一定の設定を維持したい場合や詳細なターゲットが決まっている場合は手動で設定するほうが無難です。
④ キャンペーン名の設定
キャンペーン名の設定は必須項目のため、どの広告の配信設定かわかる名前で設定と良いでしょう。
2.広告セットを作成する
次に、広告セットを作成します。
・広告セット名の設定
① 広告セット名を入力
こちらも先ほどと同様に、自分のわかりやすい名前で設定すると良いでしょう。
② コンバージョンの設定
ここではコンバージョン(成果地点)を設定します。Webサイトに集客したいのか、アプリをダウンロードしてほしいのか、自社の設定した目的に合ったものを選択します。
・予算と掲載期間の設定
①予算の設定
予算設定では「1日の予算」となっているので注意が必要です。
② 開始日時の設定
開始日時は分単位まで設定が可能です。また、終了日時の設定は任意となっているため、広告配信に期間を設けたい場合は忘れず設定するようにしましょう。
・オーディエンスの設定
ここでは、配信ターゲットの設定を行います。「地域」「年齢(18~65歳)」「性別」「詳細ターゲット設定」の項目から、自社の目的に合ったターゲット設定をします。
・配置の設定
「配置」とは、配信先のことを指します。
①「手動配置」を選択
③ プラットフォームは「Instagram」を選択
④ 配置は「Instagramリール」を選択
リール広告だけ配信したい場合は、Instagramリール以外のチェックを必ず外すようにしましょう。
3.広告の設定
最後に、実際に配信する広告クリエイティブの設定をします。
・広告名の設定
① 広告名を入力
こちらも先ほどと同様に、自分のわかりやすい名前で設定すると良いでしょう。
② 広告に表示する名前を入力
こちらは配信された広告に表示される名前で、ユーザーに見られる箇所になります。Instagramアカウントの連携もこのタイミングで行います。
③ 広告設定は「シングル画像または動画」を選択
④ メディアの追加
こちらで配信したいクリエイティブを選択、アップロードします。
・リンクの設定
① ウェブサイトのURLを設定する
ここでは、ユーザーが広告をタップした先に表示されるサイトURLを設定します。パラメーターを作成すると、リール広告からサイトに訪れたことを追跡することも可能になります。(別途ツールが必要)
② 「公開する」を押す
これでリール広告の入稿は完了です。
リール広告の表示される場所
リール広告は、「リールタブ」「発見タブ」「フィード」の3つの場所で表示されます。
リールタブ
Instagram下部、右から2番目のタブをタップすると「リール」が表示されます。
発見タブ
同じく下部、左から2番目のタブをタップすると「発見」から投稿が表示されます。
フィード
Instagramを開くと最初に表示されるのが「フィード」の画面です。こちらは下部、左から1番目のタブをタップしても表示されます。
「ストーリーズ」は同画面の上部に表示されており、こちらにも広告出稿することが可能です。
リール広告の成功事例
ここでは、リールに広告を出稿した事例を3つご紹介します。
Disney+ (ディズニープラス)
Disney+ (ディズニープラス)では、QUOカードPayのプレゼントキャンペーンを実施する際にリール広告を利用しています。クリエイティブは動画ではないものの、ディズニーキャラクターが映る可愛らしいデザインとなっており、ユーザーの目を惹きます。実際にX(旧Twitter)では当選者の投稿も多く、Disney+の認知拡大や会員の増加に繋がったことでしょう。
参考:
Disney+ (ディズニープラス)/公式HP
Watsons Malaysia
Watsons Malaysiaは健康・美容商品の小売りを行う企業で、アジアと欧州の13の市場で8,000店舗以上を展開しています。この事例では、既存広告に加えてリール広告を組み合わせたところ、既存広告単独の際と比較して「リーチ単価が20%減少」「動画再生完了率が48%上昇」「リーチが22%上昇」といった成果を得ることができています。
参考:
Meta社/公式HP
[おまけ] BOTANIST
BOTANISTでは、新商品の「ボタニカルヘアマスク」のPRとしてインフルエンサーを起用し、リール広告を出稿しました。2024年4月11日に投稿されたこの広告ですが、4月30日付けで32万回再生を達成しています。
そして、このリール広告の後には画像のような他投稿のレコメンドがありました。関連性のある投稿だと、このように表示されるのかもしれませんね。
リール動画を活用した広告事例
キリンビバレッジ
キリンビバレッジでは、新商品「午後の紅茶 フローズンティーラテ」の広告の一環として、公式アカウントを活用したリール動画を投稿しています。こちらの投稿では新商品のおすすめの食べ方の紹介として、新商品の質感や食べ方を動画でわかりやすく説明しています。このように動画ならではの良さを活用し、商品の認知向上や購買を促しています。また、こちらは投稿から約1か月で、6.9万回再生・129件のコメントが付いており、ユーザーの目に留まる良い事例であることがわかります。
salut!(サリュ!)
salut!では、フォロワーが35.1万人のInstagramアカウントを活用して動画投稿を行っています。投稿を見てみると、実際に商品を使用する様子と同時にテキストでも訴求しており、ユーザーが一目で投稿の内容を理解できるクリエイティブになっています。また、投稿には人気アーティストVaundyさんの楽曲が設定されており、ポイントを押さえた投稿になっていることがわかります。4月30日時点、こちらの投稿は79.6万回再生となっています。
ライタープロフィール
-
メディアレーダー 運営事務局株式会社アイズ
- 広告・マーケティングに特化した媒体資料のポータルサイト「メディアレーダー」のマーケティング担当。
BtoBマーケティングを始め、Web広告やリード獲得目的の施策を展開中。
「めでぃつぶ」では、広告業界の方、マーケター必見のマーケティング知識・ノウハウを発信しています。
メディアレーダーについて詳しく知りたい方はこちら
https://media-radar.jp/about.php